長寿命の家には可変性の保持が不可欠

2011.10.27

長寿命の家として必要な資質は、やはり可変性が重要だと思う。明日のことも分からないのに200年先のことが分かるかだ。生活はガラリと変わるに違いない。だから間取りは200年の間に何度も変わる筈だ。日本の伝統構法はそれができる構造であった。設備面での可変性の保持も重要事項だ。更に言えば、手を掛ける時にいい加減にしないことである。取り壊される家を見ると、何度も手直しした痕跡が見られるが、どれも応急処置的で、その積み重ねで満身創痍の有様になっていることが多い。こうなってしまったら愛着の持ちようもない。手直しは新築時より美しくする心掛けが肝要だ。住まなくなった家は1年足らずで廃屋の様相に成り果てる。家の広さを持て余して、使わなくなった部屋が閉めっきりで物置化した場合でも、その部屋には死霊が漂い始める。毎日窓を開けて光と風を入れるだけで家は生き返ってくるのが実感できる。そんな使い方でも部屋に出入りすれば掃除もしたくなる。窓を開け閉めする、掃除をマメにするのは家のメンテナンスと心得よ、である。手を掛ければ愛着も湧いてくる。