挙式後、花嫁花婿のお披露目、列席者への感謝と今後のご指導をお願いする宴のことを披露宴といいます。多くは式場やホテルの宴会場で、飲物(お酒)と食事が饗されます。昔は披露宴が唯一の娯楽だった時代もあります。今でも地域によって、村や地縁をあげてのお祝いごととして誰でも参加できるところも残っているそうです。婚礼は披露宴を含めて2〜3日続けて行うというところもありました。余興やスピーチの由来は、祝いの席で親族の年長者がおめでたい舞いや長唄などを披露するのが日本の伝統的な披露宴の姿でした。昔から、言葉には「言霊」といって、霊力があると信じられていたため、新郎新婦を守り、末永い幸せを祈り、授けると考えられていたためです。さらに花嫁花婿は、宴もたけなわになると列席者にお酒をついでご挨拶にまわりました。明治33年、当時皇太子だった大正天皇のロイヤルウエディングの慶びごとを記念して始められた神前結婚式は、それまで各家々で行われていた結婚式と披露宴の流れを世に示したものでした。資料によれば、プロによる落語や長唄、海兵隊による合奏などの余興の後、立食スタイルで招待客を楽しませる内容で、現在に比べるととてもシンプルでした。以降、これがお手本となって式場やホテルで行われる披露宴のスタイルができあがったようです。帝国ホテルは神前結婚式と高級フランス料理つきの披露宴、写真撮影などをセットにした新しいスタイルを打ち出しました。昭和になるとブライダル業界やホテル業界の参入により、祝宴を盛り上げるためにさまざまな演出が考え出され、披露宴は見て楽しむ「観劇型」の披露宴から来賓「参加型」の披露宴に変わり、華美で豪華になりました。これを嫌った流れが「地味婚」です。個性を重視した「オリジナルウエディング」という発想も90年代に誕生しました。個人的には、趣向を凝らした披露宴もいいですが、みなさんが自分たちのために大切なお時間を使っていらしてくださることを考えたら、新郎新婦が金屏風の前で座ったままというより、ご挨拶してまわる昔の披露宴のほうが、心がこもっているように感じます。