大学卒が入社したいような巨大会社には、たいてい指定校制度というのがある。旧帝国大学であった七つの国立大学とか、早慶その他いくつかの特定の大学からしか、大学卒を採用しないのである。数年前、経済同友会が調査した結果によると、平均して従業員は六三〇〇人という大企業で、特定の大学からしか採用しないという会社は、事務系で一三パーセント、技術系で一九パーセントであり、大部分は特定の大学からとるというのをあわせると、事務系で五パーセント、技術系で四三パーセントに達する。四年制大学は四〇〇あるが、そのうちで、指定校になっている大学はわずかであるから、他の大学の学生は、訪問しても門前払いということになる。しかも、さきにあげた人気企業は、たいてい指定校制をとっているのであるから、就職志望者にとっては大問題である。なぜ大企業が指定校制をとるのか。それには大企業なりの理由がある。第一に、人気があればあるほど訪問する学生が多くなる。多数の学生の中から短時間に会社にとって望ましい学生を見つけることは、至難の業である。学力についてはある程度保証づきと思われる特定の大学にしぼり、訪問してくるそれらの大学の学生についてだけ、時間をかけて面接した方が効果的である。第二に、会社の長年の経験で、指定校の学生の質の方がそろっていて、その中から会社として必要な人材を十分に採用できる、と確信している。ということになると、大企業に就職したいと考えるなら、大学を志望するときから、これらの指定校をねらわなければならないことになる。きみたちはどこの大学がどの会社の指定校になっている、などということは知らないだろうし、知る必要もない。人生なにも大企業のために生まれてきたのではないから、そんなことで志望校をきめるべきではない。しかし、世間はそのようなことで、大学を評価するので、きみたちにも、いろいろ影響をあたえているだろう。
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