全体の奉仕者

2011.04.13

教育基本法6条(学校教育)は「公立・私立を問わず法律の定める学校は、公の性質をもつ」と定めている。この主旨は学校教育が公教育として実施されていることから、学校や教員が何を目的に、どのような内容を教育するかについて、教育基本法に準拠することを求めたものである。教育基本法6条2項は学校教員の本質的立場を、「法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であって、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。このためには、教員の身分は、尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない」と述べている。これらの条文から「公の性質を持つ」・「全体の奉仕者」としての学校の教員は、国民全体・住民全体に奉仕するものであり、国家権力や一部の奉仕者として特定の政党や職業、あるいは宗教のために奉仕することは認められないとし、教員は公共の利益のために、国民全体・住民全体の利益と幸福のため仕事をすることを求められている。また、教員が「全体の奉仕者」であることから、教員の身分の尊重と適正な待遇を保障している。身分保障に関して公立学校の教員は公務員としての地方公務員法の適用を受け、合理的理由なしに「不利益処分」を受けない法律上の保護を受けている。その理由は「全体の奉仕者」として安心して公務に専念できるように、権力を持った政権担当者の人事支配を排除したものである。さらに教員の職務と責任の特殊性から、教育公務員特例法でも守られている。(特別法優位の原則)私立学校の教員も各私立学校の服務規程において、「全体の奉仕者」の自覚と使命の見地から、就業規則などに、公務員に準じた規定がおかれていることが多い。「全体の奉仕者」の文言は、教育基本法の他に、日本国憲法15条?「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」、公務員法第30条「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」がある。
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